ジャムには、パンに塗ったり、ヨーグルトや紅茶に入れたり、様々な楽しみ方がありますよね。
果物のおいしさがぎゅっと詰まったジャムは、お家でも意外と簡単に作れてしまうので、自家製ジャムを常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。
無添加で、自分好みの甘さに調整して作ることができるのが、手作りジャムの最大の魅力だと思います。
その一方で、市販品のような防腐剤や保存料などが入っていない分、保存期間の目安が気になるところですよね('_')
また、果物の種類の分だけ、色々な味が楽しめるジャムですが、材料として使用する果物の種類によって保存期間に違いはあるのでしょうか…。
そこで今回は、そんな手作りジャムに関する疑問を解決するため、
手作りジャムの保存期間の目安と、保存方法についてご紹介していきたいと思います。
手作りジャムの保存期間の目安・種類別まとめ
後から詳しく説明していきますが、簡単に結論から言ってしまいますと、手作りジャムの保存期間ですが、これには使う果物の種類というよりも、ジャムにしたい果物の量に対して、使用する砂糖の量(割合)によって変わってきます。
果物に対する砂糖の量が多い、つまり糖度の高いジャムほど保存性に優れています。
目安となる手作りジャムの保存期間は、以下の通りになります。
糖度50%以上(果物1:砂糖2)で作った場合
瓶詰めで常温保存・・・半年~1年間 (開封後は冷蔵保存で、2週間以内)
タッパーで冷蔵保存・・・2週間程度
糖度34%(果物3:砂糖1)で作った場合
瓶詰めで常温保存・・・2、3か月間 (開封後は冷蔵保存で、1週間~10日以内)
タッパーで冷蔵保存・・・1週間~10日程度
最近では、健康志向が高まり、低濃度のジャムの人気が高くなっていますが、砂糖の割合が少ないジャムは保存性が低くなります。
サッパリした甘みの少ないジャムがお好みの方は、早めの消化を心がけましょう。
ではなぜ、砂糖をたくさん使った「あまーいジャムが長持ちするのか。」
果物が傷む時って、だんだん水っぽくなっていきますよね。
これってカビや細菌が増殖している証拠なんです…おそろしや(;'∀')
カビや細菌は、食べ物に含まれている水分をエサにして、元気に活動・増殖するので、水分が少ない状態では自由に活動することができません。
そこで、砂糖の出番なのです!
砂糖は、水分を取り込んで離さないという特性を持っています。
つまり、果物に含まれている水分を砂糖ががっちりつかんで離さないことで、腐敗菌など細菌が活動しにくい環境を作られ、ジャムは長期保存が可能になるのです(*^-^*)
このような理由から、糖度の高いジャムほど、保存性が高くなるのです!
さらに、ジャムは瓶詰めで密封保存されていることが多いですよね。
ジャムは瓶詰め保存する際に、適切な方法で消毒・殺菌作業と、脱気(空気を抜く)作業を行うことで、さらに保存性が上がります。
果物の種類よりも、砂糖の配合量によって保存期間が変わることが分かったところで、手作りジャムに初めてチャレンジする方のために、果物の種類別の特性や、ジャムにする時のポイントを簡単にまとめてみました!
どんなジャムを作ろうか迷っている方は、ぜひ、参考にしてみてください(^^)/
いちごジャム 旬の時期:2月~4月
ジャム界の中では、王道中の王道ではないでしょうか。
いちごは、12月ごろからスーパーで見かけるようになりますが、一番甘くて美味しい旬の時期は、春先の2月~4月です。
いちごに含まれている食物繊維(ペクチン)は、腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を抑制する効果があります。
また、いちごが赤いのは、ポリフェノールの一種あるアントシアニンが豊富に含まれているからなのです。
アントシアニンは、強い抗酸化作用を持っていて、老化や様々な病気の予防、美肌や美白の効果をもたらしてくれるとってもステキな成分なのです。
いちごをジャムにする時は、短時間で仕上げるために冬の時期の大粒のものよりも、この時期にたくさん出回る小粒で安価な甘くて赤いもので作ると良いそうです。
マーマレード 旬の時期:柑橘の種類によって様々
オレンジやグレープフルーツ、レモン、みかんなど柑橘類の果皮、果汁、果肉を煮詰めて作ったものの総称がマーマレードです。
マーマレードは、ほんのりとした苦みと、すっきり爽やかな香り、甘みが特徴ですよね。
スーパーでは、季節ごとに様々な種類の柑橘フルーツが1年中並びますので、夏みかんやいよかん、文旦などお好きな柑橘で作ってみてください。
柑橘類は、みなさんご存知の通りビタミンたっぷりの果物です。
お肌の調子を整えたり、血流改善作用によってコレステロール値の減少の手助けをしてくれます。
果皮に多く含まれるヘスペリジンやβ‐クリプトキサンチンという成分には、発がん抑制や、骨粗しょう症発症抑制に効果があると言われています。
免疫力がつくので、風邪など身近な病気の予防にも良いですよ!
マーマレードを作る時は、ぜひ、栄養満点の果皮も残らず使うようにしてください。
ブルーベリー 旬の時期:6月~8月
甘酸っぱくて、香りも豊かなブルーベリーは、初夏の時期に旬を迎えます。
ブルーベリーは、ポリフェノールの一種であるアントシアニン色素によって、紫色に色付きます。
アントシアニンの最も有名な効果と言えば、やはり「目に良い!」ということですよね。
眼精疲労やドライアイのなどに効果があり、目の健康にとても良い成分です。
また、ブルーベリーには、亜鉛・マンガンという成分もたっぷり含まれています。
これらは、髪や肌の健康維持や、丈夫な骨や身体を作るのにも欠かせない成分です。
ジャムにする時は、熱しすぎると皮が硬くなり、食感が悪くなる可能性がありますので、こまめにアクを取り、様子を見ながら作りましょう。
りんごジャム 旬の時期:10月~12月
秋の味覚の代表でもあるりんごの旬の時期は、秋口から冬にかけての10月~12月です。
りんごは、加熱調理によって、食物繊維であるペクチンがおよそ6倍~9倍にも増えるそうです。
ペクチンには、整腸作用があり、胃腸の働きを整えてくれる効果がありますので、便秘の改善にも役立ちます。
また、りんごの皮にはりんごポリフェノールが多く含まれ、血行改善作用によって、血圧上昇の抑制や動脈硬化予防に効果があります。
りんごをジャムにする時は、栄養が凝縮した皮も細かく刻んで入れると、香りも色味も良い仕上がりになります。
あんずジャム 旬の時期:6月~7月
甘酸っぱいあんずの旬の時期は、わずか1ヶ月程度と非常に短い果物です。
あんずには、β‐カロテンやクエン酸が豊富に含まれ、発がん抑制や、整腸作用、疲れや肩こり、腰痛の防止にも効果があります。
漢方にも多用されるあんずの種は、キョウニン(杏仁)とよばれ、風邪やインフルエンザなどの感染症予防や、咳や淡を抑える効果があります。
あんずジャムは、お菓子作りのつやだしや、鶏肉など普段の料理とも相性が良いので、実は使い道もたくさんあるんですよ。
ゆずジャム 旬の時期:10月~12月
寒くなる時期、冬至の日やその時期が近づくと、ゆず湯にしてお湯に浸かるご家庭も多いのではないですかね。
ゆずは柑橘の中でも、酸味が強く生食には向かない果物ですが、果肉や果皮にはビタミンCはじめ、β‐カロテン、ヘスペリジンなどの栄養がたくさん含まれています。
これらは、免疫力を高め、疲労回復や風邪などの感染症の予防に効果があります。また、美肌効果や、冷え性を予防・むくみ解消など、女性に嬉しい作用をたくさん持っています。
ゆずジャムを作る時は、「白皮の部分を取り除き、細かく刻むこと」、「煮込む際に一度茹でこぼすこと」で苦みがかなり抑えられるそうです。
しょうがジャム 旬の時期:新生姜6月~8月 根生姜9月~10月
しょうがは、スーパーでは通年いつでも出回っています。
採れたてのフレッシュなものを新生姜といい、初夏が旬の時期になり、白い色が特徴です。根生姜は、これを貯蔵したのもをいい、よく目にする茶色の生姜で、旬の時期は秋口になります。
生姜は、漢方薬にも多用される健康食品として有名ですよね。
生姜に含まれる辛み成分のジンゲロールには、強い殺菌力があり、感染症等で体内に入ってきた細菌を退治してくれます。
また、加熱することによってショウガオールという成分に変化します。
ショウガオールは、血行促進の作用によって、冷え性予防、血液サラサラ効果、胃腸の調子を整えるなどの効果があります。
抗炎症作用や鎮痛作用によって、風邪によるのどの痛みや、身体の節々の痛みを和らげる手助けをしてくれます。
しょうがをジャムにする時は、繊維を断ち切るようにすりおろすことで,なめらかなで舌触りの良い食感に仕上がるそうです。
なしジャム 旬の時期:8月~10月
夏の暑い時期から食欲の秋にかけては、みずみずしい梨が食べたくなりますよね。
梨の果汁には、リンゴ酸やクエン酸などの栄養素がたっぷり含まれていて、疲労回復効果があります。夏バテ防止にもピッタリの果物なんですよ。
また、梨に含まれるソルビトールという成分は、呼吸器系の炎症を抑える働きがあり、咳・淡の緩和や、解熱効果もあり、風邪をひいてしまった時の民間療法としても大活躍の果物なんです。
梨は他の果物と比べて、ジャムのとろみとなるペクチンという成分があまり多く含まれていないため、比較的にサラッとしたした仕上がりになります。
手作りジャムの保存方法や注意点は?
手作りジャムは、保存の方法によって保存期間にも影響が出てきますので、ここできちんとポイントをおさえておきましょう。
冷凍保存の場合 小分けがベスト!
冷凍で保存する際は、1回で使う分ごとに解凍ができるように少量ずつ小分けにして保存するようにしましょう。
ラップで1回分づつ包んでから、ジップロックなどの保存袋に平らにして入れて、しっかり空気を抜いて密封保存すると良いですよ。
ジップロックに直接ジャムを入れて保存する時は、においうつり防止のために袋を二重にしましょう。
冷凍保存によって、1年間は保存可能となります。
注意点は、一度解凍して空気にふれたジャムは再冷凍できませんので、必ず使い切れる量ずつ解凍してください。
また、瓶詰めのまま冷凍することも可能ですが、ジャムを詰める際に入れすぎてしまっていると、容器が冷凍によって膨張し、割れてしまう危険性があるので、あまりおすすめしません。
冷蔵保存の場合 開封後はお早めに!
常温で保存していたジャムを開封した時は、必ず冷蔵庫で保存し、2週間を目安に使いきるようにしてください。
また、冷蔵庫から取り出して使う時は、空気にふれる時間を可能な限り短くし、手早く使ってしまうようにしましょう。
空気中の雑菌がジャムに付着してしまうと、痛みが早くなってしまいますので、冷蔵庫に入ってるから大丈夫!と過信せずに、美味しいうちに使い切りましょう。
また、ジャムをすくう時に使用するヘラやスプーンは毎回清潔なものを使うことを心がけるようにすると、劣化も抑えられます。
常温保存の場合 瓶詰めは殺菌・脱気を忘れずに!
手作りジャムを常温で保存する場合は、清潔に殺菌・消毒された容器を使い、空気を抜いて完全密閉の状態にするようにしましょう。
そうすることで、菌の繁殖の心配もなく、常温で長期の保存が可能になります。手作りジャムの場合は、半年~1年間は保存しておけます。
また、常温で保存する時は、風通しの良い暗所がベストです。高温多湿をさけ、直接日の当たらない場所で保存するようにしてください。
開封後は、必ず冷蔵庫で保管するようにし、作った日にかかわらず、2週間以内を目安に使いきるようにしてください。
手作りジャムに最適なオススメの保存容器はコレ!
手作りジャムの保存容器には、密閉保存ができる瓶がおすすめです!!
もし、ジャムの保存用の瓶をこれから購入する予定の方は、ラベルのチェックを必ず行ってください。
実は、100円ショップで販売されている瓶の容器には、『完全密閉ではありません。』との文言が書かれたものが多いんです。
ですので、長期で安全に保存するためには、ホームセンター等で容器をお買い求め頂くことをおすすめします。
また、市販のジャムの空き瓶をそのまま使用したい時は、フタがきちんと閉まるものならOKです!
ではここで、先ほどから何度も出てきている保存用の瓶の殺菌・消毒と、脱気の方法の手順をご説明します。
まず、煮沸消毒の仕方です。
瓶の容器とフタは、洗剤でよく洗っておく。
大きめの鍋に清潔な布巾を敷いて、瓶がかぶるくらいの水を入れる。
*手順
鍋の中に瓶とフタを入れて火にかける。(熱湯になってから入れると、瓶が割れてしまうので、必ず水から入れるようにしてください。)
水が沸騰して、グラグラしてきたらそのまま5分程度おく。
火を止め、トングなどを使って瓶とフタを取り出す。(やけどに注意!)
清潔な布巾の上に逆さまに乗せて、しっかり乾かす。
これで、瓶の準備は完了です!
続いては、瓶詰めと脱気の手順です。
*準備
瓶がもし冷めて冷たくなってしまっていたら、お湯で少し温めると良いです。
*手順
ジャムは、アツアツのうちに瓶に入れる。(90℃以上)
隙間ができない(空気が入らない)ように詰めていく。
瓶の9割程度まで入れる。(スレスレにしてしまうと密閉できなくなるので注意!)
ジャムを詰めたらフタをして、1分程度待つ。(ゆる過ぎ、締め過ぎにならないように)
一瞬だけフタをゆるめる。「プシュッ」と音がしたら、脱気成功。すぐにフタを締めなおす。
さらに煮沸消毒する場合は、瓶を鍋に戻して、瓶の高さ2/3から3/4くらいまで水に浸かるようにし、20分煮沸する。
常温に戻して完了。
※瓶は、かなり高温になっていますので、フタの開け閉めの際は、軍手などをして、やけどに注意してください!
手作りジャムが美味しく作れる季節は?
手作りジャムが美味しく作れる季節は、なんと言っても、それぞれの果物が旬を迎えて一番食べごろの美味しい時期になった時です( *´艸`)
春ならいちごや梅、初夏はブルーベリーやさくらんぼ、夏はあんずや桃、秋はぶどうや梨、冬はりんごやゆず・みかん…などなど
季節ごとに旬の果物がスーパーに安価でたくさん並びますので、その時が手作りジャムを作るねらい目ですね。
各季節ごとの旬の果物を使い、ジャムを作っておけば、長い期間その美味しさを楽しむことができちうのが手作りジャムの醍醐味ですね。
果物は加熱することによって、ビタミンCや葉酸などの栄養素は、残念ながらほとんど破壊されてしまいます…。
しかし、加熱しても食物繊維の量と、ポリフェノールの成分の変化はほぼありません。
食物繊維は胃腸の働きを助け、ポリフェノールは病気の元となる活性酸素から身体を守ってくれます。
そして、ジャムでしか取れない栄養素もあるのです!
ジャムには、生の果物からは摂取出来ない「メラノイジン」という成分が含まれています。これは、ジャムを作る時にアミノ酸と糖が結合することで作られます。
このメラノイジンには、強力な抗酸化作用があり、ストレスが多い、喫煙者、添加物入りの食品を好むなど、身体が酸化しやすい生活にさらされている人には、特に意識して摂取してほしい栄養素です。
ジャムは、ぎゅっと濃縮された季節の果物を味わえるだけでなく、栄養も満点なんですね(#^^#)
まとめ
手作りジャムは、ジャムにしたい果物に対しての砂糖の量によって保存期間が変わります。
糖度50%以上の高糖度にすればするほど、保存性も高まってくることが分かりました。
しかし、保存期間は短くとも、市販品にはないフレシュさと、自分好みの甘さに自由に調節して作ることができるのが、手作りジャムの大きな魅力でもあります。
低糖度でも早めの使いきりで、より健康的に栄養もたくさん詰まった美味しいジャムを楽しめるのなら、これほど良いことってないですよね(*^^*)♪
適切な保存方法と保存期間で、ぜひ、旬の果物を使った様々な手作りジャムにチャレンジしてみてください。